友空物語

翔一は
我に返り
また桜の花びらを眺めた


あのとき

父が翔一に
見せた笑顔が浮かんできた


翔一「あんときの
親父はかっこよかったのにな~」と
ボソッと言った


そして
翔一は
ベッドから起き上がり


窓の開いている所から
外を眺めた


外は
昨日の雨が嘘かのように

ずっと向こうまで
見えるのではないかというくらい

澄んでいい天気だ


翔一「昨日の雨が嘘みたいだな」

翔一は
視線を
そのまま学校のある
山のほうへ移動させた


翔一「そういえば

確かあっちだったかな」とふと思った


翔一「もしかしたら
まだあの桜の木はあるかも……」


翔一は
そう思った瞬間、体が動いた


翔一は
ベッドの上の携帯を取り
部屋を飛び出した


急いで階段を下り
玄関に向かった


玄関では
ちょうど
麻里姉と麻友が帰って来た所だった


翔一は
下駄箱から靴を取り出し
急いで靴を履いた


麻里姉は
そんなに急いでいる
翔一に


麻里姉「ちょっと
翔一どこ行くの??」


翔一は
急いで靴を履きながら

翔一「ちょっと 行ってくる」


麻里姉は
「ちょっとって……

遅くならないでよね!!」


翔一「はいはい!!」と
言って家を飛び出した