『母さん、おはよう』 綺麗にハモった朝の挨拶と同時に振り返った二人のネクタイは、蝶々結びだった。 「おはよう…それで学校行くの…?」 「んー、雅はどう思う?なんか個性は出てる気がするんですよ」 「そうだねー入学式から目立ちそう」 とは言いながらも思い通りにならないネクタイに不満げな顔をしている。 そんな我が子を見た百合はクスッと笑って優しく手招きをした。 「二人とも、こっち来てごらん?」