死神少女


「おぉ・・・飛んでる・・・」
 
 私は飛んでいた。
 
 頭が吹っ飛んでる的なわけじゃねぇよ?

 空を、飛んでる。


「あんさぁ、ユウ」
「ん?」
「死神って、修行積まないとなれないんじゃないの?」
「んー・・・。なんとなく気が変わってさ」

 意味がわからない。

 変なヤツ。

「あ」
「ん?」
「グロいのって、平気?」
「まぁまぁ平気」
「なら、オッケー。キミは立派な死神見習いだ」
「ふむ」

 ぴゅーんって。

 私達は空を飛んだ。

 いつも屋上から見下ろす景色よりも、もっと高いところを。

 ひどく、心地良い。

 夜になって冷たくなった風や、宝石箱をひっくりかえしたような星空。

 そして、横に立つユウ。

 全てが私を肯定してくれる。

 ・・・そんな気がして。