「死神ってのにはふたつ種類があるわけ」
「ふむ」
「まず一つ目」
ユウは架空のメガネをくいっとあげるフリをして、人差し指を立てた。
「人の魂を迎えに行く人。まぁ良く知られてる死神のひとつだね」
「よく本にのってるやつか」
「それそれ。んでね、二つ目が」
「人間を『殺しに行く』死神だよ」
「・・・はい?」
一瞬理解できなかった。
『殺しに行く』と『迎えに行く』の違いが、私には分からなかった。
「だから・・・」
「う、うん・・・」
「ちゃんと寿命を全うした魂を連れて行くのが1つめ」
「うん」
「寿命を全うしてないけど、生きていては害が出ると思った人間を殺してつれてくのが2つめ」
なんとなく分かった。
「で、俺は2つ目の死神。ここは人手不足なんだよねぇ」
「ふむ。だから私に手伝えと?」
「おぅ」
これほど非日常に溢れてて退屈しなさそうなことはこの世にないだろう。
私という一介のただの人間が、人の生死を操作できるなんて。
「やるやる!手伝うよ手伝わせて手伝わせなさい!」
「・・・やる気満々だなおい・・・」
ユウは溜め息をついた。

