「な･･･」
「死神の唾液には、傷を治癒する能力がある。
　何故なら死神は人の記憶を読んでその人間を始末するかどうか決めるから。
　もし始末する人間ではないと感じた場合、鎌でつけた傷を舐めて治癒できる･･･」
　
　ユウはゆっくりとしゃべりはじめた。
　
　いつもの口調とは違い、何かを読み上げるような口調。

「死神の掟より。わかった？」
「ぇ、あ、うん･･･」
「･･･いきなり変なことしてごめん」
「それは平気。けど、死神の掟って･･･？」
「･･･ごめん、とっさに使っちゃった･･･。死神の力･･･」

　どうやら今の派死神としての掟らしい。

　小説とかでは、こういう風に自分の力を無関係な人に見せた場合仲間になってもらうって展開が王道だよね･･･。

「私は仲間になったりしなくていいの？」
「はぁ？」
「ぇ、あ･･･なんかごめん･･･」
「そんな一般人仲間にできるわけないじゃん。死神って、訓練期間結構長いんだよ？ぽっと出の一般人に出来るわけないじゃん」
　
　妙に現実的だった。

　死神って職業の1つなんだ･･･。今やっと実感したよ･･･。