家に着いて。
「まぁこんな狭い家だもの。説明する必要なんて無いわね?」
「は、はぁ・・・」
ユウはすっかり気おされていた。
そして、ちょっとシュンとした顔をする。
「・・・なんですか?」
「なんかさ・・・女子高生の部屋って、もっと賑やかな感じかと思ってたんだけど」
「偏見ですよ」
「・・・もっと、写真とか飾ってあってさ・・・。ぬいぐるみとか・・・」
「だから、偏見です」
ユウはぼんやりと居間を眺める。
「で、キミの部屋はどこ?」
「あぁ、私の部屋?そこです」
指差す。
そこは、たぶんこの家で一番シンプルな一画だ。
二段ベッドが1つ。
備え付けのクローゼットと埃まみれのパソコン。
「・・・え?」
「私の部屋」
「・・・あそこが!?」
「そうですよ」
ユウは小さく溜め息。
「・・・なんですか」
「あのさ、もう少し女の子らしくしようぜ?」
「私が女の子らしいかそうじゃないかは、私の手料理を食べてからにしてください」
私はキッチンに入っていった。

