あたしの隣の ベッドで寝る、陸の サラサラの黒髪を揺らす。 『…ん』 『早く起きなきゃおいてくよ?』 『…待って』 はぁ、と、 ベッドの中からため息が聞こえた。 ため息つきたいのは あたしの方だってば…。 もぞもぞと布団から陸が出てきた。 ハネた黒髪、ぼんやりした目。 その顔は とても高校生には見えなかった。