RED×HEAVEN

「リュウ、覚悟した方がいい。今ここでもう一度死ねば、グレイブに送られる事になる。自分の第2の命を守る為ならマユを放って逃げてもいいんだよ」



エンが珍しく大人っぽい口調で、そんなふざけた事を言った。



グレイブ。



幽霊がもう一度死ねば送られるという無の空間らしい。



周りにはただ闇しかなく、発狂する事すら許されない空間。



考えただけでも冷や汗が出る程の恐怖だ。



エンの声は聞こえたが、俺は水の中で話す事は出来ない。



ふざけんな。



放って逃げる訳ねぇだろ。



俺はマユさんを助けるつもりだし、自分も死ぬつもりなんてさらさらねぇんだよ。