悠大君のことも、なぜか皆知っていた。
「愛李菜ーあんたどっちが好きなの?」
笑いながら言ってきた。そう、雅だった。
「あたしは、あ、あたしは、ぁぁぁああああもうわけわかんない。」
頭を抱えてしまった。
「ごめんてー」
またしても笑っている。はぁー。
そしたら私の目の前に凌が立っていた。
「これ。悠大から。」
そう言って渡されたのは、悠大君のネームだった。
「え」
呆然としながらも答えた。
「愛李菜は、オレと悠大どっちが良いの?」
え?。そんなことなんで聞くの?。もちろん凌って答えるのに・・・。
「もちろん、凌だよ」
照れながらも言えた。
「良かった」
そう言って抱きしめてくれた。とっても暖かかった。
「悠大君に「ごめん」って言っておいて。」
考えた結果だ。
「わかった。」
そう言って自分のクラスに戻って行った。
【愛李菜side】
何でこんなことになっちゃたんだろ?。
悠大君傷付いてるかな?。
悪いことしちゃったのかな?。
そんなことを1人で考えていた。
でも凌から悠大君のネームを渡された時は、ショックだった。
「もう、私のこと好きじゃなくなっちゃたの?。」
心の中で思っていた。
【凌side】
悠大が愛李菜のことが好きだとは・・・。
考えても見なかった。
ずっと一緒に居たのに。何できずかなかったのだろうか。
何であの時、悠大のネームを愛李菜に渡したんだろ。
本当、オレって最低だよな。
でも、こんな俺に「もちろん、凌だよ」といてくれた。
本当になんて良いやつなんだ。最高だよ。
オレにはもう、愛李菜しかいないんだ。
そう思った。