みんなと楽しく過ごした時間を忘れないでおこうと思う。


弘也は日に日に弱っていき、食べ物が喉を通らないから、色んな野菜を煮込んだスープを作ってみたり。


どんなに辛い治療も弘也は弱音をはかなかったから、私も部活を休まず続ける事に決めた。


明日から冬休みだ。


弘也は毎日ではないが学校へも頑張って通っている。


大学受験は諦めるしかなかったが。


「弘也の分も頑張るから、あの約束も必ず守るから安心しろ。」


小山先輩、あの約束って何ですか。


いくら聞いても弘也は教えてくれない。


本当にずるいと思う。


「何があっても千比絽を一人にしないから安心しろ。」


意味が分からない。


弘也がいなくなれば、確実に私は一人になる。


心の準備をしようと思っても、現実を受け入れられなくて、弱い自分が情けない。


弘也はこんなに頑張っているのに、こんな弱気じゃ駄目だね。


もっと、もっと、強くなりたかった。