あたしは、心臓病を持った1人の女。
今年でもう20歳になるのに、恋をしたことがない、寂しい女。
今日もあたしは1人、屋上へ足を運ぶ。
「ん~っん!気持ちぃ」
背伸びをしていると1人の男の子が入ってきた。
「わっ!びっくりしたあ!貴方だあれ?」
「俺?内海翼。16歳。あんたは?」
「え?あたし?ん~・・じゃあ、羽葉。」
適当に作った名前。はねか・・。
実名は・・つばさ。
「じゃあ・・って。本名違うんでしょ?」
「え?」
「伊崎つばさ。20歳。そんくらい知ってるつーの」
と翼は言ってニッと笑った。

ドキッ

発作とは違う・・ドキッとする。
心臓がドキドキ言う。
なんだろうこの気持ち。

「ねえ?あんたさ、ずっと病院に閉じこまってるんでしょ?」
「は?そうだけど?」
「ならさ、俺といいことしない?」
本当なら男と話すことなんてない。
でも翼にはなぜかついていってみたいような感じがした。
「いいよ。何すんの?」
「恋愛ゲーム。」
翼が言ったのは恋愛ゲームとゆうもの・・。
意味がわからず
「恋愛ゲーム?」
と聞き返すあたしに笑いながら言う。
「そう。恋愛ゲーム。俺と、あんたが恋愛するの。コマを進めて行く・・みたいなね。今日から2週間。カレカノね。ドキドキしたほうが負け。どう?楽しそうでしょ。」
恋愛ゲーム・・。
恋ってこと・・?
あたしは恋したことはない。
恋に興味があったのは事実・・。
「のった!絶対負けない!」
「で、負けたほうが勝ったほうの言うことを聞くこと」
「おーけー」
「じゃあ・・」
チュ。
「またね、つばさ」

えっええええええ?!
恋愛ゲームってこんなことするの?!
ちょ・・予想外なんですけど・・?!