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「で、どうするんだ?」

「さて、どうしましょう…?」


街の仕組みなど知るはずもなく、此処を動けば必ず事態は悪化の一途を辿るだろう

自分が迷子だということに気づいたレイは頭を悩ました
そんなレイにヨルは淡々と聞く

そんな二人の苦渋を破るようにバルドは豪快に笑いながら言った

「それなら簡単だ!!ヨル!お前が女神様―――いや、レイちゃんを案内すればいいんだ!」

名前を言い直したあたりは、おそらくレイに指摘されたからだろう―――

バルドの言葉を聞いた二人は同時に“はい?”と口を開けたのだった










街案内なのか道案内なのか分からないが、ヨルはレイを連れて歩いていた

もちろんレイはご丁寧にフードをしっかりと被っている


「なんか…ごめんなさい」

わざわざ店を抜けてまで――とレイは申し訳ないという表情を浮かべて謝る

「いや、いい。元々あんた――じゃない……女神様が王様とはぐれたのは俺の落とし物を届けたせいだっ――ですよね……?」

ヨルは丁寧な言葉遣いが苦手なようで、眉間に皺を寄せながら言葉を選ぶ

それにレイは笑いを堪えて、ヨルを見上げる

「だから、敬語なんていらないよ?」

歳も近そうだし――と笑うレイの言葉にヨルは力を抜いた

自分もこの国に住む者だ
女神という位がどれだけ高いか、よく知っている

いや、厳密に言うと“高い”などという括りにすら入らないだろう―――女神なのだから