「あはは!」

お腹を抱えて笑うレイを直視したオヤジ達は固まり“綺麗だ”とか“可愛い”などと呟く

場の雰囲気が変わったことに気づき、レイは慌てた

「あ!ごめんなさい!!笑ったりして…皆さんおもしろくて」

みんなが固まっている理由を誤解したのかレイは頭を下げる

頭を下げる彼女にバルドは焦ったように口を開く


「いやいや!!別にそんなんじゃなくてな!女神様があんまり綺麗な顔で笑うからみんな度肝を抜かれちまっただけだ…!!」

しかし、レイにはいまいち理解出来ずにいた――

―――綺麗って誰が?お世辞が上手だなぁ――くらいにしか思っていなかった


「やっぱりここの人達って、おもしろ―――」

“おもしろいね”と続くはずだったレイの言葉は途切れた

それというのも、レイが見上げた先―――ヨルが赤い顔のまま少しも動かないから

「大変!!おじさん!この人熱がありますよ!!」

「んあ?ヨルが?」

レイの言葉に反応したバルドは目を丸くし、次の瞬間にはニヤリとした笑みを浮かべた

「まさかなぁ〜!あの堅物のヨルまで虜にしちまうとは……いや!さすが女神様!!」

「あの!よくわかりませんけど早く休ませたほうが………」

「心配しなくて大丈夫ですって!なぁ、ヨル〜?」

からかい色の強い笑みで近づくバルドをヨルは容赦なく殴った

「うるせぇ!!」

紅くなった頬を隠すように腕で口元を隠しながらレイに視線をやる

「……んで、女神様がいつまでもここに居ていいのか?」


…………………―――――沈黙の後、レイの表情は焦りに彩られた


「エドとはぐれちゃった!!」