「え?え?本物?マジで?」

ヤトは確認するようにレイとエドガーに視線を交互に向ける

「当たり前だろう。この瞳が偽物に見えるのか?」

何故かエドガーが威張るように断言する

「そうだよなぁ…。綺麗だもんなぁ」

妙に感心した様子でレイの瞳を見つめる

一方、ヤトに見つめられるレイは彼の藍色の瞳が気になっていた

さっきの話では藍色はなかったなぁ―――茶色の瞳のときと同じように何か渋るものがあるのだろうか


お互いじーっと見つめ合う


すると、ヤトの頬が徐々に赤く色づいていき、パッと視線を逸らした

その理由はよく分からないが、とりあえず女神と呼ばれるより名前で呼ばれるほうがいい

「初めまして、レイです」

「えっと、ヤ、ヤトです。」

年若い二人が敬語で自己紹介する様はまるでお見合いのようであった



それを黙っていたエドガーは咄嗟にレイの手を引き、自分の方へ抱き寄せた

「へっ!?あの、王様…!?」

エドガーに肩を抱かれる形で一気に縮まった距離に戸惑いを隠しきれないレイ

「ヤト、街への護衛、頼めるな?」

「は、はいっ…!」

先程よりも幾分か低い主の声色にヤトは身を引き締める

そのときのエドガーの表情を知るのは正面に居るヤトのみである