エドガーに手を引かれやって来たのは広いバルコニーがある部屋

後ろにはアイルとカナンが控えている

「皆が何をしているのか分かるか?」

エドガーは街を指しながらレイに問う

街は先程レイが見たときと同じように人が賑わっている

「お祭り、ですか?」

「まあ、そうだな…祭だ。だが、今年は特別な祭典になる。」

エドガーの言いたいことがいまいち掴めず、レイは隣に居るエドガーを見つめる

不思議そうに見上げるレイに微笑むとレイの髪に触れながら口を開いた

「この国には昔から女神伝説があるんだ」

女神……さっきからそればかりだな

「今じゃ平和に見えるこの国も昔は大戦国だったんだ…」


この国が――――

見ている景色はそんなこと微塵も感じさせないくらい華やかなのに


「国が滅ぶ、そんな時だった………。女神が舞い降りた。彼女は荒れ果てた大地に花を咲かし、命の芽吹きを齎した」

「…すごい」

「ああ、すごい。…だが、レイにもその力がある」

「はい?そんなものあるわけ――」

「女神の瞳は青空色だったらしい…。レイと同じだ」

レイの言葉を遮るようにエドガーは言いきった

「それはたまたまです。私は日本とアメリカのハーフだから……」

両親を思い浮かべながら事実を口にする

「この世界では瞳の色が存在の証明になる」

エドガーの言葉にレイはやはり不思議そうに彼を見上げるだけだ