目線を下げていると、フッと笑いがこぼれる声が聞こえてきた

「履き慣れないか?」

「…はい。初めてなんで」

「そうか。まあ、少しずつ慣れていけばいいだろう」

慣れる必要あるの?

「他のに代えちゃダメですか?ドレスも恥ずかしいんですけど……」

「ダメだ。それにお前によく似合っている」

エドガーはニヤリと得意げな笑みを浮かべ、レイを見つめた

「似合ってません!」

照れ隠しでそう言いながら睨むものの身長差があるため、ただの上目遣いになってしまっている


「それはわざとか?」

「何がです?」


エドガーの言葉にレイは首を傾げる

「いや………」

彼にはその動作も可愛いく見えたらしく、口元を手で覆い目を逸らす



その光景をカナンは笑顔で見守っていた



すると、そこに―――

「ゴホン」

わざとらしく咳ばらいするアイルが現れた



「…エドガー様。準備が整いました」

突然の登場にレイは驚くが、エドガーとカナンは驚くことなく受け入れていた


「そうか。レイ、行くぞ」

「え…?えぇぇー!?」


エドガーに引きずられるようにレイは理由も分からずその部屋をあとにした