不安気にするレイを一瞥してカナンは微笑んだ

「みな、レイ様の姿に見惚れているのです」

「まさか、そんなわけないでしょ」


ご自身のことなのに、全くわかっていらっしゃっていないのですね――――肩を竦めて笑ってのけるレイにカナンは苦笑するしかなかった










辿り着いた大きな扉をコンコンとドアをノックすれば中から入れとの指示が出される

「失礼致します」

「ああ、カナンか。レイの準備はできたか」

「はい。素晴らしいですよ?」


そう言いながらカナンは、部屋に入るのをためらっているレイの手を引き部屋へ導く


「あ、ちょっ…!カナン!?」


ただでさえ、履き慣れないものを履いているというのに、そんな手を引かれたらこけるよ…!


「うきゃっ…!!」


案の定、躓き転げそうになりそうになる







しかし倒れた衝撃はなく、その代わり暖かいものがレイを支えた

「まったく、女神は危なっかしいな…」

「え…?」


恐る恐る目を開くと目の前には白い布地とそして少し上には綺麗な顔が―――

「王様……。あ、ありがとうございます」


パッと離れ、頭を下げる――その頬はこけそうになった羞恥で赤く染まっている


絶対マヌケに見えたよね……