かっ、浬くん?



「こっち。」


強い力で私を引っ張る。



浬くんは私を人ごみの波から救い出してくれた。



女の子は、海さんに夢中になっている。



よかったぁ…



「浬くん、ありがと。」



「別に。通りかかっただけ。」



そっけなく答える。