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「グスッ…ごめんね、佐藤くん」

「何で謝るのさ?」

「だって、いきなりこんなに泣いて…しかも、理由が幼稚で…ック」

「全然いいよ、大丈夫。夏子ちゃんは…悪くないんだよ?」



その言葉で、彼の手に力が入り、より私を抱きしめる強さが強くなった。

私は自然と彼を抱きしめ返す。


「あれ~?あの二人は?」


枝里の声がして、慌てて離れる。

「じゃあ、戻るね」


彼はすぐに戻って行ってしまった。

彼の温もりがまだ微かに残っていた…


それが、私の心を躍らせる。


「佐藤くん…」