ザザンッ...

ザザザザザッ...


波がぶつかる音が砂浜に響いている。

声を発することなく、私たちはただ歩いていた。


ちょうど海の家の前に着いたとき、彼が口を開いた。


「夏子?」

「ん?」

「あのさ、怒ってる?」


―怒ってる?

何を?何か佐藤くんしたっけ?


「キス…」

キス?…あっ!あの時の…///

怒ってる?そんなわけない。


私は…