君想い。

「あ・・・ここです。」

あー・・・ついちゃった。
「意外と早くついちゃったね。しゃべってたから」
龍さんが笑って言う。
本当にそうだと思った。
たくさんしゃべったはずなのに、なんでこんなに
物足りないって思うんだろ・・・?

さっきまで夕日が綺麗だったのに、今は暗くなって
星が綺麗に輝いている。

「ほら早く入んな?」
「えっ、大丈夫です。早く帰ってください。もう暗いですし・・・。」
「いいから、家はいんなよ。大丈夫だから!」
優しく微笑む龍さんを見ると断れなくて、戸惑いながらも頷いた。

「んじゃあ・・・今日はありがとうございました。」
軽くお辞儀をして、家に入ろうとした。

「あっ!ちょっと待って」

ドキッ・・・!

龍さんが腕を掴んだ。