君想い。

【愛理Side】

「あっ!これから浩平さんと帰るんだった!じゃあね、愛理!」

「えっ!?ちょっ・・・」

私が言い終わる前に夏帆は走ってどこかに行ってしまった。

龍さんがこっちを
じっと見てる。
私に何か用があるのかな

「愛理ちゃん。」
「はっ・・・はひっ!?」

はひ・・・?
はひって何だよ。
うわぁ恥ずかしい。

「クスっ俺、一緒に帰りたくて待ってたんだ。一緒に帰らない?」

赤くなった頬を
両手でおさえてる私に
龍さんが言った。

「わ・・・私でよければ。」
「よかった。じゃあ・・・
帰ろっか。」


「龍さんの家って・・・」
「あぁ、反対。」
「えっ・・・そんな・・・」
「大丈夫、迷惑じゃないし。俺が送りたいの。」
「す・・・すみません。」
「全然。」

龍さんが微笑む。
この笑顔がドキッと
いつもくる。



ドキドキしちゃって
顔も見れなくなった。
苦しくなって、
制服の胸の所をギュッと
握りしめた。