君想い。

「さっきから誰とメールしてんの?」

後ろの席の浩平に
聞いてみた。
真面目に授業受けてる浩平が誰かとメールなんて考えられないこと。

「・・・夏帆。」
「・・・夏帆?誰?」
「あの昼休みの子」
「あぁー・・・あの子ね。」

こいつが名前を呼ぶなんて珍しい・・・。

「好きになったのか?」
「・・・はぁ・・・?」
「いや・・・浩平にしては珍しすぎるなって。」
「わかんないよ、まだ」
「ふーん・・・。」

俺もアド聞けばよかったかなぁ・・・。

「俺もアド聞けばよかったって思ってる?」
「なっ・・・」
「明日行くんだろ?聞けよ、ちゃんと。」
「お・・・おう。」

なんで分かったんだよ!
なんか恥ずかしくなってくるから・・・!!


「あ、てか夏帆が一緒に帰りたいって言ってて待ち合わせの場所、行かないといけないから今日一緒に、帰れない」

は・・・はい?




「あの子一人になっちゃうし一緒に帰れば?」
「え・・・。」
「チャンス到来〜!」
棒読みの言葉に変なリズムがついてて気持ち悪い。

一緒にかぁ・・・。
一人じゃ危ないしな
帰ってやるか!
べべ別に帰りたいとかじゃないしな!

「クス・・・夏帆に言っとくから校門で待ってろよ」

「あ・・・うん。」

急な展開に戸惑う自分の中に嬉しくて跳ね上がってる自分もいて、変な感じ。

退屈な授業。
窓の外を見て早く放課後になればいいのに・・・

そう一人で思ってた。