君想い。

男が女の子の腕を引っ張っている。

モヤモヤとした感情が
込み上げてきた。

なんだよ･･･この気持ち。

ずっと立ち尽くしたまま
体が動かなかった。

あー！
なんでこんなに苛々するわけっ!?
あの子のこと好きとかじゃないのに。
まるで自分のものだから手を出すなと体が訴えてるみたいにモヤモヤとした感情が溢れだす。

「･･･っ･･･くそ！」

ガラッ

思いきり扉を開けた。
もう黙ってみてることが
できなくて･･･。

「ナンパなら校外でしろや。」

普通に言ったつまりなのに男たちはすぐに消えてしまった。


女の子に声をかけて、ふと目線を移すと、目が合った。

すこし潤んだ瞳で見つめられて、すごく胸が
苦しくて･･･。

小さい身体が微かに震えていた。

抱きしめたくなる感情を
グッと堪えてその子と
会話をした。

頬が赤くなるのがたまらないくらい可愛くて。
やばいくらい全てが可愛く見える。





しばらくしたら、
浩平と話していた女の子が戻ってきた。
どうやら教室に
戻るみたい･･･。

女の子は少し友達としゃべってから、こっちを見てきた。なんとも言えない表情にまたドキっとして･･･。



「クス･･･明日教室に行ってもいい？」

この子ともっと話したい
その思いが口から出てしまったみたい。
女の子は「はい。」と
頷いてくれた。

明日も話せる･･･
そう思いながら
手を振った。