ぴたっ。
 他とは違う金具の感触にこれだと思った!
 確か、わっかがあったからそれに足を引っ掛けて、上に引けば……

 体はかなり限界。
 だって足の向きを変えることなんて、今までしたことないんだよ?

 でも。
 いつも大切にしてくれたしいちゃんの一大事だもの。
 今度はわたしがしいちゃんに恩返しをする番だから!


 チャリン。
 金属の音が響いて、やっととれたんだと思った!
 足を戻し、扉を軽く押すと、簡単に開いたよ。
 しいちゃんのもとに駆け寄ると、汗がうっすらと見えて暑そう。
 確か、椅子のところにタオルがあったよね。
 素速くタオルを取りに行き、しいちゃんの額にかぶせた。

 けど。顔全体が隠れてしまった……。
 とりあえず、ふいたらとった。

 えっと暑そうだから、冷やしたらいいのかな。 そう言えば、夏の間は水を凍らせたペットボトルを近くにおいて、暑さを凌いでいたような。

 それだ!
 えっと冷凍庫は……。