「ハァ…ハァ…走りすぎて……疲れた…。」
「家が近いからって油断するから駄目なんだよ。」
「やばっ…3分遅刻…。ちょっと、どこ行ってんのよ!」
「チャリ置き場だよ。お前もこい。」
「なんでよ。わっ…!引っ張らないでよ!」
「うるせぇ。」
片手で自転車をおしながら、もう片方で私の腕を引っ張る。
「遅刻した事を直樹のせいにするからねっ!」
「勝手に言ってろ。」
あっさり流されて、強がってる自分が、とても恥ずかしくなった。
直樹は、自転車置き場の前で、私の腕を離して、自転車をおいた。
「はぁ~…。」
直樹は、自転車を置くと、その場に座って、ため息をついた。
「……私…先行くから…。」