「まず、名前をフルネームで。
あと、年齢、趣味、その他諸々。」


「えーっと。
比嘉誓耶、17歳。
趣味は…音楽鑑賞かな。」



そう言うと、偉槻は少し違った反応を見せた。



「奇遇だな…。」



顔が輝いて見える。



こいつが笑った顔、もしかしたら初めてかも。



一瞬だが、偉槻に見惚れてしまった。



「俺は大神偉槻、21。
趣味は、音楽。」


「ああ、音楽。」



合点がいった。



趣味、同じだ。



「ちなみに、俺は演奏する方。」



お前は?と、目がきいている。



誓耶はちょっと笑って言った。



「あたしは聞く専門。
楽器なんて、触ったことない。」


「そうか。
まぁ、趣味が同じなのは好都合だな。」



その言い方が少し引っかかったが、誓耶は何も言わなかった。



「家族構成は?」



一番嫌な質問だ。



昔から、その題の作文を書くのが嫌でたまらなかった。



でも、今回は仕方ないか。