胡蝶蘭

した。



何度も、止めてくれと懇願した。



なのに非情にも、あたしを押し倒したのはどこのどいつだ。



「来年も、よろしくね、誓耶。」



優しい顔で、匡は言う。



優しくなんかない心を曝け出して。



「嫌だ、あたしはあんたなんかきら…ッ。」



最後まで言わせず、匡は唇を塞いだ。



「誰が嫌いだって?」



言ってみな?



そう低い声で言い、誓耶を突く。



息を飲みこみ、悲鳴を抑える。



身体を浮かせて歯を食いしばる誓耶を見下ろし、匡は笑った。



0時0分



「お前はずっと俺のもんだよ、誓耶。」



誓耶は細まった目で、匡を見返した。