胡蝶蘭

「ね、誓耶。
俺達、繋がったまま新年迎えるんだ。」



ロマンチックだろ?



再び耳元に唇が寄せられる。



どこがロマンチックだ。



ただ、女を犯してるだけのくせに。



こんなの、あたしは望んでない。



こんな臭いメロドラマみたいなコト、こんな奴をしたくはない。



「…んあっ。」


「俺思ってたんだけどさ、誓耶も何気に喜んでるよね。」



誓耶は息をついでから尋ねた。



「何を?」


「ん?」



にっこりと匡が誓耶を見つめる。



「俺とのセックス。」



馬鹿な。



誰が喜ぶ?



こんなこと、願ってなどいない。



「だって、逃げないもんね。」



誓耶の不満そうな顔に気付いた匡は、当然のように言ってのける。



誓耶は力いっぱい睨み返した。



誰が、抵抗しなかったって?