俺のことはどうでもいいから、お前の意見を聞かせてくれ。



偉槻はじっと誓耶を見つめた。



「お前はどうしたい?」



誓耶はゆっくりと顔を上げた。



「偉槻と一緒にいたい。」


「なら俺は迷うことはない。」



誓耶はへらっと笑った。



「嘘みたいだ。」


「嘘じゃねぇ。
本気だぞ。」


「うん、嬉しい。」



こっち来い、と腕を広げると、誓耶は笑顔で突っ込んできた。



「ありがと偉槻。」



ありがとうはこっちの台詞だ。



お前をこんなにも愛せる俺を作ってくれて、感謝している。



こんなにのめりこめるなんて、幸せだ。



「近々、頼みに行こう。
お前も心の準備しとけよ。」


「うん、なんか怖いな…。」


「大丈夫、俺が頼み込む。」


「うん。」



偉槻は久々に誓耶を腕に抱く幸せをかみしめた。