不運だなんて言葉で済ませてたまるか。



俺があいつを助けたい。



今まで助けられたことはなかったが。



「どう思う?」


「いや、俺は…。
同棲するのは誓耶も喜ぶと思うよ?
けどさ、なんかそれってこじ付けな気がするんだよね。」


「こじつけ?」


「うん。
一緒に住みたいだけじゃね、偉槻?」



そう言われて詰まった。



しかし、すぐに勢いを取り戻す。



「確かに、あいつと一緒にいたいからってのもある。
でも、あいつをこれ以上あの男のところに置きたくない。」



独占欲だ。



自分の女をほかの男に触られて嬉しい野郎はいない。



「勝手か?」


「うーん、取り方によれば勝手だな。
でも俺は賛成。
結婚とか固いことはまだ相手高校生だから置いといて、同棲ならOKじゃね?」


「店長は?」



黙っている店長に意見を求めると、店長はうーんと唸った。



「俺も昔おんなじようにして女引っ張り込んだけどな…。
問題は相手が高校生だってことだ。
もう今年で卒業ってったって、まだあと1年近く残ってるだろ。」



学校側がうるさいぞ、と言われてそうかと頭を抱える。



家の方は匡のことを話して説き伏せるとして、学校にばれるとうるさい。



どうしたものか…。