店長や健にこのことを話していない。



誓耶の了解は得ていないが、これは偉槻の判断で話すことにした。



「あの、相談いいっすか?」



酒を遠ざけて言う偉槻に、2人は顔を見合わせた。



「おう。」



なんだ、と不審そうだ。



「俺、奴と一緒に住もうかと思ってる。」


「はぁ?」



健が思いっきり無遠慮な声を出した。



「本気だ。」


「本気ってお前…。」



未成年だろ、と店長は頭を掻く。



「でも、あいつをこのままあの家に置いとくのは不安で。」


「なんで?
保護者いるだろ。」


「その保護者が危ないんですよ。」



わけがわからないといったような顔で、2人は顔を見合わせる。



「実は誓耶の従兄が…。」



今まであったことを掻い摘んで話す。



話していると、怒りがこみあげてきて慌てて偉槻は酒を飲んだ。



今すぐにでも、誓耶を自分のアパートに引き取りたい。



「そんなこと…。」


「嬢ちゃんはよっぽど不運だな。」