「ったく、お前らは揃いも揃って…。」



ぐっすりと眠っている偉槻を見下ろしながら、健は椅子に座る。



「こいつもよく寝てられるな。」


「取り乱してて大変だったから鎮静剤打たせてもらいました。」



突然、後ろから声がかかった。



驚いて振り向くと、医師が立っている。



「先生…。」


「あんまり騒ぐと傷口が開きますんでね。」


「すんません。」



健は首を突き出すようにして会釈する。



「まぁ、そろそろ起きますよ。」



そしてその宣言通り、偉槻はそれからすぐに目を覚ました。



視界がはっきりするまで目を何度も瞬き、そして勢いよく起き上がった。



止める間もなかった。



健は隣で唖然としている。



偉槻は呻きながら、ベッドから転げ落ちようとした。



が、目の前に座っている2人に気付き、動きを止める。



「あんま無理して身体動かすと痛むぞ。」



一拍おいて、健が間の抜けたことを言う。



がしかし既に痛んだらしい。



偉槻は俯いて悶絶した。