学校帰り、誓耶はとぼとぼと足元を見つめて歩いた。
疲れた。
しばらく休んでいただけなのに、授業内容はどんどん先にいってるし。
ついてく気にすらなれない。
あ~ぁ、帰りたくないなぁ。
家に帰ったら、いろいろ面倒だ。
自然と誓耶の足は家と反対の方向へ向いた。
ここという目的地もないまま、誓耶は足を動かす。
気付かぬうちに偉槻の仕事場の近くまで来てしまっていたことに気付き、慌てて道を引き返す。
やばい、行ってしまうところだった…。
危なかった。
こんなところで顔を合わせでもしたら、大変だ。
いや、もう無視されんのかな。
…どっちでもいいや。
どーせあたしはもう偉槻にとってどうでもいい他人なんだから。
自分で結論付けておいたくせに、誓耶は泣きそうになった。
もう、馬鹿。
まだ未練タラタラだ。
…ううん、何も関係をもとに戻したいって思ってるわけじゃない。
ただ、元気そうな姿をちらっと見れるだけで、偉槻が元気に暮らしてるって確認できればいい。
それだけなら、許される?


