胡蝶蘭




また、誓耶は自分の悲鳴で目を覚ました。



冬なのに、汗が背中を伝う。



誓耶は喘ぐように肩で息をした。



トントントンと、急いで階段を上がってくる音がした。



ノックもせず、叔母が慌てた様子で入ってくる。



「どうしたの!?」


「別に…。」



額に浮いた汗をぬぐい、誓耶は頭を振る。



しばらく彼女は物言いたげにしていたが、結局出ていった。



ふう、と短く息を吐き、ベッドに倒れこむ。



また、あの夢をみた。



怖かった…。



嫌な記憶なのに、あの出来事は鮮明に記憶されている。



さっさと忘れたいのに。



忘れようとしようとすればするほど、蘇ってくる気がした。



もう、嫌だ。



しばらくぐっすり眠れそうにない。