胡蝶蘭

誓耶は深呼吸して、袋を破った。



逆さに振ると、かさりと音がして手紙が落ちてくる。



恐る恐る、それを開いた。



“お元気かしら”の台詞で始まったその手紙は、誓耶を罵倒しまくっていた。



いい気味だとか。



懲りたらイツキから離れろだとか。



聞き飽きた台詞が書き連ねられている。



誓耶は最後まで読まずにそれを破り捨てた。



何て奴。



匡よりも怖い。



誓耶は布団にもぐって、ぎゅっと目を閉じた。



そして、睡眠不足のせいか、すぐに夢の世界へ落ちていった。











ゴミ箱から落ちた手紙の破片。



昼に呼びに来た叔母は何気なく、それを拾った。



「どういうこと…?」



そこには、



“…ツキに近寄るな。
…がこれ以上忠告を無視するなら、この間の夜みたいに…。
また、襲われたいの?”



ところどころ破れて読めないが、脅迫文らしきもの。



事情を知らないながらも、彼女は震えあがった。



「誓耶ちゃん…。」



彼女は誓耶と手紙を見比べた後、4つに裂かれた紙屑をすべてポケットに滑り込ませた。