誓耶が嫌がるので、ほぼ偉槻が完食した形になった。



次、と偉槻はミルクプリンに手をつける。



「食え。」



いや、と誓耶は無言で顔を背けた。



「仕方ねぇな。」



先に偉槻が一口頬張った。



ん?



これは…



「案外いけるぞ。」



口どけなめらか、というキャッチコピーは本当だ。



「食ってみ?」



あーん、とスプーンを差し出すと、誓耶は遠慮がちに口を開けた。



「どうだ?」


「とろとろ。」


「だろ。」



もっと、とスプーンを突き出すと、今度は素直に口を開ける。



二人は仲良く半分こ。



そういう風にして、買ってきたデザートを完食する。



一緒に食べてやると、誓耶は素直に食べるのだった。



「どれが一番うまかった?」


「うーん、これ。」



誓耶が差したのは、さっきのミルクプリン。