胡蝶蘭








誓耶は自分の悲鳴で目を覚ました。



ガバッと起き上がったせいで布団がずり落ちる。



頬を涙が伝った。



「偉槻…?」



力強い腕を求めて彷徨った手は、何も掴まなかった。



誓耶はきょろきょろと辺りを見渡す。



隣には誰もいなかった。



「偉槻…!?」



なんで?



なんでいないの?



さっきまではいたのに。



孤独感が誓耶を襲う。



偉槻、どこ?



誓耶は慌ててベッドから転がり降りた。



偉槻に借りたブカブカのジャージのせいで足がもつれる。



倒れこむようにして襖まで辿り着き、勢いよく押し開ける。



居間にも偉槻の姿はない。



胸が締め付けられるように痛んだ。



ここにもいない。