胡蝶蘭




何か、人の声がする気がする。



偉槻は呻いて耳を澄ませた。



…誓耶?



誓耶の声か?



ぱちっと目を開ける。



誓耶を見てみるが、起きている様子はない。



なんだ、気のせいか。



寝顔は苦しそうだが、目を閉じている。



寝てるか。



再び、偉槻が目を閉じたときだった。



誓耶が突然悲鳴を上げた。



偉槻は驚いて飛び起きる。



「なんだ!?」



完全に頭は冴え、ガンガンと血液が送り出されている。



「誓耶、どうした。」



覆いかぶさって、頭を撫でると、誓耶は目に涙をためて偉槻を見上げた。



「誓耶…。」



夢でも見たか。



「おいで。」



腕を広げると、誓耶は飛びついてくる。