胡蝶蘭

人気のないところを通ってみたりもしたが、誓耶の姿はない。



諦めないぞ、俺は。



たとえ朝までかかっても、明日までかかっても、探し続ける。



唇を固く結び、偉槻は膝を叩いた。



怒りの持っていき場がない。



どうしたらいい?



体力を消耗し、走る気力がない偉槻は重い足を引きずりながら、しんとした通りを歩いた。



と、公園が見えた。



何気なく見てみるが、人はいない。



物音さえ聞こえなかった。



いないか…。



通り過ぎ際、公園の入り口に立っていたポールを力任せに殴りつける。



パコンと軽い音を立てて、ポールは折れ曲がった。



いや、待てよ。



もしかしたら中にいるかもしれない。



一縷の望みをかけて、偉槻は公園の中にはいった。



ブランコ、滑り台、シーソー。



ありきたりな遊具と可愛く色が塗られたベンチ。



その陰に人はいなかった。



もっと、一目につきにくい場所…。



奥に入っていくと、物音が聞こえた。