胡蝶蘭

寒さからなのか、恐怖からなのか、誓耶の身体の震えは止まらない。



歯が、がちがちと鳴った。



「お前さ、なんであの女に目ぇつけられたの?」



訊いた直後、男は身体を重ねてきた。



誓耶は思い切り拳を握りしめる。



「いっ…!!」



嫌だ!



「うーん、苦しげな喘ぎ声っていいよね。」



変態!



心の中で罵る。



しかし、そうしたからといって状況がかわるわけでもなかった。



偉槻、助けて…。



偉槻の顔が浮かぶ。



そういや、前、匡にされたときも浮かんだのは偉槻だった。



思い返せば、偉槻に抱かれた回数より他の男の方が圧倒的に多い。



なんて悲しいんだろう。



気持ち悪いって、言われるかな。



軽蔑されるかな。



今まで偉槻があんまりにも優しいから、そんなこと考えずに身体を預けてたけど、偉槻は嫌な気持ちだったんだろうか。



偉槻…。



助けて…。