胡蝶蘭

「でも、そっかぁ。
なんか俺も安心した。」


「なんで?」


「なんか、誓耶が変な奴に引っかからなくて。」


「なんだよ、あたしがそんなだらしない奴に見えるのかよ。」



そうじゃなくて、と慎吾は優しい目で誓耶は見つめる。



「お前、どっか一歩引いてたからさ。
なんか、押しに弱そうだったし。
無理矢理に付け込まれたらと思うと怖くって。」



その点、偉槻なら心配ない。と。



そんなに偉槻が好きなのか慎吾。



「俺も嬉しい。」


「そう。」


「ホントだぜ?
よかったなぁ、誓耶。」



気恥ずかしい。



顔が火照ったのがわかって、誓耶は視線を外した。



向かいでは、慎吾がシェークをすすっている。



「また、3人で一緒に遊ぼうな。」


「偉槻がOK出したらね。」


「許可もぎ取るわ。」


「嫌われんよ。」



慎吾はついっと首をすくめ、笑った。