胡蝶蘭




窓の外から街灯の光が差し込んでいる。



その薄明りの中、偉槻は誓耶を胸に抱き寄せた。



誓耶はぐったりと偉槻の胸に顔を埋める。



疲れた横顔を見て、偉槻は自分を罵った。



また、抱いてしまった。



この間、勢いで押し倒してしまったことを反省したばかりなのに。



17だぞ、こいつは。



…だから泊めるのは嫌だったんだ。



理性が、利かない。



甘えて傍らに寄ってくるだけでも、襲いたくなる。



完全に誓耶を自分のものにしてから、一気にたがが外れた気がする。



誓耶は偉槻を見上げた。



そして、すりすりとすり寄ってくる。



偉槻は微笑んでキスをした。



「偉槻、なんだか優しくなった。」


「俺が?」


「うん。
前から優しかったけど、ベッドの中ではもっと優しくしてくれる。」



気恥ずかしくなって、偉槻は誓耶を小突いた。



それでも誓耶はうわごとのように続ける。



「キスも、一杯してくれるから、好き。」


「…そんなこと言うと、毎日抱くぞ。」


「いいよ。」