胡蝶蘭




夜。



偉槻がぐぐっと喉を詰まらせた。



熱い息を吐き出す。



時折、誓耶がぐっと布団を握りしめる。



それに気づいた偉槻はその手に自分の手を重ねた。



「苦しいか?」



何度目かわからないが、偉槻は誓耶の耳元でそう囁いた。



誓耶は言葉なく、思い切り首を横に振る。



偉槻は気づかれないように笑って、顔を近づける。



誓耶は顔だけ上げて、キスをせがんだ。



望み通り、息を継ぐ暇もないくらいに唇を塞ぐ。



誓耶はふあっと苦しそうな声を上げた。



しばらくすると、顔を背けてぐっと唇を噛みしめる。



…そろそろか。



誓耶の限界を悟った偉槻は優しく誓耶の額にキスをした。