「おはよ。」



返事の代わりか、誓耶は偉槻の胸に頭をぐりぐりと押し付ける。



偉槻は無意識にその頭を撫でた。



「気分は?」


「…大丈夫。」


「そうか。」



眠そうに誓耶は目をこする。



静かだ。



時計の音だけが響く。



「疲れた…。」


「…悪い。」


「ううん。
いーよ。」



誓耶がもぞもぞと動いて、偉槻に無言で腕枕をしてくれと要求する。



偉槻は布団の中で誓耶の身体を押し上げた。



誓耶が上を向いて、偉槻の顎にキスする。



「なんだよ、朝から。」


「いいじゃん。
駄目ならやめるよ。」



止めてもらっちゃあ、困る。



偉槻は苦笑いして、誓耶にキスした。



その間も、誓耶は眠そうなままだ。



とろんとした目で、偉槻を見ている。



見ようと必死だ。



「眠い?」


「うん…。
偉槻の顔がよく見えない。」


「寝とけ。」