よく寝るな。



昨日はやりすぎたか?



日付が変わるまで、起きていたのは確実だ。



「さむっ。」



一人呟いてみる。



起きるかな、と期待を込めて誓耶を見るが、やはり起きる気配はない。



まったく、こいつは。



俺が待つ側になるなんて、有り得ない。



「誓耶。
起きろよ。」



起きないし。



「起きろって。」



俺を退屈させるな。



「起きろ~。」



耳元で囁いてみる。



が、声が小さいのはやっぱり気兼ねしているからか。



偉槻はふざけて呼びかけ続けた。



「あ、起きた。」



誓耶が、ゆっくりと目を開けた。



偉槻の腕の中で、ぼんやりとしている。



「誓耶。」



呼ぶと、誓耶はゆっくりと偉槻の胸に顔を埋めた。