「だから、あんた誰?」
わいわいと賑わう校門前。
誓耶は女と対峙した。
彼女はストレートの黒髪を掻き上げながら、誓耶を舐めるようにみている。
なんだか気分が悪い。
「あなた、イツキのなに?」
「何って?」
「付き合ってるの?」
「いや。」
「でしょうね。」
ふふん、と彼女は誓耶をせせら笑う。
…なんだよこいつ。
「あんた、誰?」
誓耶は何度目かわからない質問を口にした。
「茉理子、イツキの彼女。」
彼女?
偉槻の?
でも、いないって言ってた。
…あぁ、
「昔の女?」
「違うわよ、現在進行形のよ!」
女__茉理子はヒステリックに叫んだ。
「え、でも偉槻、付き合ってる奴いないって。」
「あなたが騙されてるんでしょ、あたしは偉槻と寝たことだってあるんだから。」