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昼食を摂った後、適当にモール内をぶらぶらと回った。
意外にも誓耶は雑貨が好きらしく、道々にある雑貨屋に興味を示していたので、何軒か回ったりもした。
結構女っぽいとこもあるんだな。
とか、言ったら蹴りが飛んできそうだから言わないでおく。
偉槻は店の外で誓耶を待ちながら、さりげなく辺りを窺う。
誓耶は本来の目的を忘れているようだが、今二人には匡が張り付いているはずなのだ。
…やっぱいるし。
ここまでくると逆に感嘆する。
どこまで執念深い…。
偉槻は睨んでやろうかとも思ったがら、気付かれて絡まれでもしたら厄介なので急いで視線を外した。
「お待たせ!」
誓耶が店から走り出てきた。
「もう少しゆっくりしてもいいぞ、時間はたっぷりあるんだからな。」
「いいよ、偉槻が暇じゃん。」
「別に行きたいとこないからいいんだがな。」
そ、と誓耶は言って、偉槻の隣に並ぶ。
「偉槻、服とか買わないの?」
「あん?
面倒だからいい。」
「言うと思った。
でも、せっかく来たんだから買っとけば?
あたし付き合うよ?」


