胡蝶蘭

そして大げさにのけ反った。



「お、お、お、おおおおおおお女!?」



振り返ると、誓耶がなんとも言えない変な顔をして立っていた。



少し身体を引いている。



顔はなんだこいつとでも言いたげだ。



「おい、おい!
堀川こっち来いよ!!」


「呼ぶなよ…。」



仲間を呼んだ斉木に呆れ、偉槻は脱力した。



面倒くせぇ…。



その間にも、興奮した斉木はカウンターから出てきて、誓耶に近づく。



「おい、姉ちゃん、あんたこいつと…。」



斉木は最後まで言えなかった。



否、言わせてもらえなかった。



腹部には誓耶の拳。



…見事にめり込んでんぞ。



「あ~、誓耶。」



呼ぶと、誓耶は引きつった顔を向けた。



「大丈夫、そいつに害はない。
俺の知り合い。」



だから放してやってくれ、と誓耶の拳を掴んで引っ込ませる。



後から来た堀川はただただ唖然としていた。



「偉槻チャン、この子何?」



げっそりと、斉木が問う。



「さっきのはお前が悪かったぞ。」


「あい…。」



下がれ、と顎をしゃくると、斉木は降参のポーズをしてカウンターの中に引っ込んだ。