胡蝶蘭

しばらくすると、慎吾が追い付いてきた。



ガッと肩に手がかけられる。



「てんめぇ、やってくれんじゃねーか。
危うく俺は変質者だ。」


「危うくじゃねーよ、既にだよ自覚しろ変態。」


「貴様ぁ。」



なにが貴様だ。



「まあ、取り敢えず聞けって、な?」



強引に近くのファミレスに連れ込まれる。



「なにを聞いてほしいの?
くだんないことなら怒るよ。」



ちゃっかりとパフェを注文した誓耶は慎吾を睨んだ。



「まあ、聞け。
大神と話した。」


「聞いたよ。」


「その先。
あっちから話しかけてきた。」



すげくね?と慎吾は興奮して立ち上がる。



誓耶も思わず声を上げた。



「嘘だろ!?」


「マジマジ。
でな、なんて言ったと思う?」


「お前、うるさい?」


「ちっがーう。」



チッチッチ、と慎吾は怒りもせずに身を乗り出す。



「お前、誓耶って女知ってるか?
だって!」



きゃあっと慎吾が甲高い声を出す。



は?



誓耶はそのテンションについていけない。